預貯金・有価証券~貸金庫が開けられない~

貸金庫

事例 Oさんの場合

ご主人を亡くされたOさん。生前に遺言書を貸金庫に保管していると聞かされていたOさんは相続手続きのために銀行を訪れました。

銀行員
銀行員
亡くなられたご主人様の口座手続きに際し、遺産分割協議書もしくは遺言書はお持ちですか?
Oさん
Oさん
遺産分割協議書は作成していません。でもこの銀行の貸金庫に遺言書があるかもしれません。
銀行員
銀行員
貸金庫はご主人様のご契約ですか?
Oさん
Oさん
そうです。
銀行員
銀行員
申し訳ございません。そうしますと、貸金庫の相続手続きもして頂かないと開けることができません。
Oさん
Oさん
遺言書があるのかどうかだけ、見せてはもらえませんか?
銀行員
銀行員
規則ですので、ご本人様以外は開けることができません。中身を確認するための別の手続きがありますので、そちらをご案内致します。

結局、貸金庫の中身を確認するだけに戸籍収集と相続人全員の実印・印鑑証明書集めをし、しかもOさん自身の実印と印鑑カードがその貸金庫に預けてあったため、それを取り出せない事態も重なり1ヵ月以上してなんとか遺言書があることを確認できました。

但し、存在は確認できましたが、遺言書を開封することはできませんので、そのまま今度は家庭裁判所にて「検認」の申し立てをし、さらに1ヵ月以上かかってようやく遺言書の内容まで見ることができました。

内容は「すべて妻に相続する」となっていたので、最初から分かっていればこんなに遠回りしなくても良かったのに…と、Oさんは思いました。(おしまい)

預貯金・有価証券の口座凍結

口座凍結

亡くなった名義の銀行口座は、通常、凍結されると相続人全員の同意がなければ引き出すことができません。また、貸金庫契約も同様です。

上記のエピソードの補足として、実際に起こったケースでは、遺言書が存在する可能性があっても提示できない場合は、銀行本社の特別な決済が必要とのことで、その承認待ちに追加で1ヵ月必要になった、ということもありました。

これは、銀行の数だけ同じ手続きを繰り返すことになります。
要求される戸籍等の必要書類を提出し、手続きが終わったら、また次の銀行へ。結構手間ですね。

さらに、お金の管理はすべて亡くなった人自身が行っていたので、

  • そもそもどこの銀行に口座があるのかも分からない場合
  • 手間をかけて手続きをしたら残高が数百円で、時間と労力に見合ってない場合
  • 投資信託等では売却して現金化する場合でも新規口座開設が必要となり、倍の時間が必要になることがある

など、いろいろと苦労話を耳にします。

銀行毎に手続きの進め方も違うので、お勤めの方が何度も平日に時間を費やすのは難しいでしょうし、高齢の方が何度も足を運ぶのも負担だと思います。

以上が預貯金・有価証券等にまつわるちょっとした「トラブル事例」でした。

こんなに面倒で時間がかかるなら、一括して専門家にお任せ頂くのも一つの選択肢かと思います。

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