司法書士は「町の法律家」です(その2)

私たち司法書士の日常の一コマ その2です。

男性
よっ、そこ行く男前の代筆家! 後で寄ってくんな。
司法書士
相変わらずお元気そうですね。
男性
俺はね。俺は元気なんだけど、八(はち)の野郎が入院しちまってよぉ。見舞いに行ったら美人の看護師に脈取られて、デレーっとした顔でよぉ。
司法書士
八郎さん、お悪いんですか?
男性
ああ悪いね。あいつはもう長くないね。あそこん家のかかあ、おっかないからね。あんなデレデレした顔してたら祟るよ。かかあの祟りにあって、まもなく八は死ぬね。
司法書士
またまたそんなこと言って。本当は八郎さんのこと心配で仕方ないんでしょう?
男性
心配してるのは八郎でさあ。俺たちが死んだら、俺らの「家と家の間の細い路地」のことで、かかあ同士が喧嘩始めるんじゃないかって、言いだしてよぉ。権利書(証)出しておくから、後で見に来てよ。
司法書士
分かりました。必ずお寄りします。ところで八郎さん、本当の所どこが悪いのですか?
男性
どうしても聞きたいの? がっかりするよ。「し」に点々。見舞いなんか行くこたねえよ。

(つづく)

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